食料自給率の向上を

安全保障と食料自給率向上に、何の因果関係と思われる向きも在ると思うが「腹が減っては戦はできぬ」と言う諺とおり、石油やその他の資源も重要であるに変わりないが、先の大戦でも判る通り日本は物資欠乏と飢えとの戦いであった。

現在の日本の食料自給率は、米以外では四十パーセントで六十パーセントを輸入に頼っており、しかもその内の約六割が残飯として廃棄されている現状を何と考えるか、途上国では残飯の市場が形成されており、日本でも終戦直後の闇市では「進駐軍放出、残飯シチュー」為る物が売られ、中にはチューインガムの噛みカスやシケモク迄入っていたと言う。

市場の原理安けりゃ良いや。小泉節で皆破滅♪♪

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現在、我国の食料の輸入先の大口は、毒入り餃子に農薬野菜等で幾ら問題化しても相変わらず中共製が目に付く、農産物で言うならば平成十八年時点に於ける中共の耕地面積は我国の耕地面積と殆ど変わらず、耕作地を放棄して農民が都市部へ流出している現状を考えると洋暦二〇二〇年頃には我国の耕地面積よりも少なくなり、自国の消費分も逆に輸入に頼らざるを得なくなる筈であるがそれでも外貨欲しさに輸出は止めないであろう。

小泉政権時代に「市場の原理云々・・・・安すけりゃ良いだろ」と食料の自給を否定するような政策に傾斜していたが、少なくとも中共は我国にとり「脅威」(仮想敵国)であっても「よき友」となる国では無く、コストが安いと言ってもこの様な国から食料を輸入する事自体が問題である。

兵力云々を取り沙汰する以前に、敵対するであろう国に食料の依存が在ったのでは国益を守るべく強気な外交政策も取れず、一朝有事となった場合は、食料の供給を停止されれば「戦わずして敗れる」事は火を見るよりも明らかな話では無いか。

国内の農業・水産業・畜産業・と言った食料供給に直接係る産業に対し、国家が後継者確保を含めた保護育成をしっかりと行わなければ食料自給率の向上は見込めず、自給率が低いと言う言は即ち安全保障にも非常に暗い影を落とすものと考える。

自給率の即向上は難しかろうが、せめて脅威である国からの輸入を減らす事から考えて行かねば、我国日本の国益や安全保障に将来は無いと言っても過言ではあるまい。