国民の意思に拠る改憲か

ダグラス・マッカーサー

ダグラス・マッカーサー

我国の敗戦後進駐してきた連合軍の当初の占領政策に憲法改正は無く、我国の占領実施後に最高司令官マッカーサーの意思により憲法改正が指示され、その草案の起案を担当したのが連合軍最高司令部民政局で、民政局長コートニー・ホイットニー准将を始めとした写真の面々が代表的メンバーとされている。 現在、自衛隊の一番の足枷となっている第九条の「戦争放棄」や「交戦権否認」「軍備不保有」と言う懲罰的文言の起案者がチャールズLケーディスで、ベアテ・シロタ・ゴードンは現行憲法の主に人権に関わる部分の文言を起案した。

コーットニー・ホイットニー

右がコーットニー・ホイットニー

本項のお題目「国民の意思に拠る改憲か」と言う事となると、其処に介在するのは「占領下の抑圧」と言う事のみで、極論するならば憲法改正に際して国民や議会の意思は全く取り入れられていなかったと言っても過言では無い。

論より証拠、マッカーサーの指示により改正憲法の草案を起案した人間はその殆どが連合軍側の人間で、謂わば外国人により起案された「憲法草案」を一方的に押し付けられたものであり、十数年程以前に、某スポーツ紙に当時話題となっていた某有名料理屋の食べ残し使い回し問題に絡めて「アメリカの食べ残し推し戴いた大日本低国憲法」と藤本義一氏が揶揄していたが正にその通り、そして六十数年後の現在も有り難そうに推し戴いている現代日本人は滑稽そのものである。

外国人が作成した「日本国憲法草案」を政府に突きつけ、「これを全て受諾せねば天皇陛下の地位は保証しない」と半ば恫喝で押し付けられた物が現在の「日本国憲法」であり、当時押し付けられた草案に対して政府が出来たことは誤字・脱字の訂正や字句の誤りに関する訂正のみで、内容を変更する言葉一切認められていなかったと言う事からも押付である事は理解できよう。

唯一、訂正加筆されたのが「戦争放棄」の項で記載した芦田均に拠る憲法第九条第二項への「前項の目的を達成するために」と言う加筆で、是れに拠り侵略行為に対する自衛の為の軍隊保有や武力行使が可能と言う解釈ができる様になった。

左からチャールズLケーディス、ベアテ・シロタ・ゴードン、マイロ・E・ラウエル

左からチャールズLケーディス、ベアテ・シロタ・ゴードン、マイロ・E・ラウエル

日本国憲法の起案者の大半が外国人である事、改正を指示したのが連合軍総司令官マッカーサーである事、当時の日本は敗戦後の連合軍占領下にあり数々の統制が行われていた状況下である事、そして草案の認諾と天皇陛下の御立場保持を交換条件にして半ば恫喝的に政府に認諾させた経緯等の総てを勘案するならば、憲法改正は日本国民や政府の意思とは無関係に推し進められたもので、国民の意思で改憲されたとは言い難いものであると言えよう。